「和食」がユネスコの無形文化遺産になり、和食の食文化が世界的に認められました。
「だしのうま味を伝えることは日本人の精神を守ること」というテーマで、京都大学大学院教授の伏木亨氏と筑波大学名誉教授の村上和雄氏が対談をしている記事を思い出しました。
日本食のおいしさはの秘訣は「うま味」だそうです。この「うま味」は英語にはありません。「UMAMI」と書いて、世界の料理で重要なキーワードになっているそうです。うま味といえば、コンブの味「グルタミン酸」そして、鰹節や煮干しの味「イノシン酸」、植物と動物の両方のうま味成分があります。不思議なのが、それぞれ単独で使うより、両方を混ぜて使うと、7倍うま味が強くなるそうです。また、対談の中で伏木氏が次のように述べています。
「日本料理の要点は素材を活かすこと。日本人と欧米人では根本的に料理に関する考えが違います。欧米人は一生かかっておいしいソースを作り、それで素材を食べるという料理学です。一方、日本人は一生かかっておいしい素材を見つけ、素材の風味を壊さないようなだしを使うことです。」
日本人は、食物がそれぞれにもっている素材のおいしさを引き出す「だし」を工夫して料理をしています。日本人は自然にあるものを尊敬し、共存し、壊さないように生活をしてきました。和を尊ぶ文化とも言えます。それが和食として、日々の生活に根付いてきたのではないでしょうか。
参考資料「致知」